MARTIN(マーティン)のオールソールの靴修理



コルノブルゥ Corno blu



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 今回はコルノブルゥのオールソールの修理の様子をご紹介したいと思います。


 コルノブルゥは福岡にある靴店です。


 イタリアのフィレンツェで修業された清角(せいがく)さんが、イタリアのテイストでありながら日本人の足に合わせた靴を作っておられます。

 フルオーダーだけでなく、機械式を積極的に取り入れたパターンオーダーもあり、幅広く展開されています。


 さて今回修理する靴は、そのコルノブルゥのグッドイヤーウェルト製法の靴です。







 アウトソールを剥がしてみます。







 すると、コルクが全面にしっかり敷き詰められていることが分かります。


 さらにそのコルクも剥がしてみます。







 すると縫い目の内側に白いテープのようなものが見えます。

 これはリブテープといい、グッドイヤーウェルト製法の特徴となっています。


 中底に何か文字が書かれているのが興味深いですね。


 ソールを剥がすと、ときどき出し縫いの糸とすくい縫いの糸が重なっている靴があるのですが、この靴はすくい縫いの外側に出し縫いがしっかり縫われています。


 そして注目すべきはインサイドの踏まず部分もしっかり縫われていることです。

 インサイドのウェルトが内側に入り組んでいる靴は、機械で縫うときは針が入らないことがあります。


 ここで少し、靴修理店に勤めていたころの話をしたいと思います。


 あるお客様が、靴のソールの踏まず部分だけ剥がれたとご相談に来られました。


 確認してみると、靴の前半分はソールが機械で縫われているのですが、踏まず部分は糸で縫わず接着剤で貼ってあるだけでした。

 有名なブランドの高級価格帯の靴です。


 なぜ縫っていないのか考えてみました。


 踏まず部分(多くの場合インサイド)は内側にえぐれているので、機械の場合は針が入らず縫うのが困難になります。

 そのため機械で縫うときは通常、内側にあまり入り込まないデザインにします。


 しかしそのブランドの靴はビスポークのベヴェルドウェストっぽく見せたかったのか、ソールがかなり内側に入ったデザインでした。

 そのため機械の針が入らず、糸で縫うことをしなかったため、履いてしばらくしてソールのその部分が剥がれてきたということだと思います。


 機能よりデザインを優先させた良くない例として、今でもよく覚えています。

 自分も靴を作るのですが、お客様をがっかりさせないのはもちろんのこと、自分が作った靴を職人さんが修理した時に、恥じることのない仕事をしていきたいと思います。



 さて話がそれましたが、お伝えした通りコルノブルーの靴は、しっかりとぐるっと一周出し縫いがきれいにかけられています。


 この靴のソールは、もともとウェスト部分がラウンドしているタイプだったのですが、今回はフィドルバックにします。

 そのためバッカーを作って貼り、前足部はコルクを使用します。







 そしてソールを貼ります。







 今回のアウトソールはドイツのMARTIN(マーティン)です。


 マーティンのソールについては別の記事で取り上げていますので、どうぞご覧ください。



マーティン



 ソールを貼ったら、出し縫いを縫うための溝を作ります。


 まずソールの角から切り込みを入れ、革をまくり上げます。

 そして出し縫いの糸を収めるための溝を作ります。







 次回は縫うための糸を作り、出し縫いを行っていきたいと思います。






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