こぎん刺し



 日頃より当ブログをご覧いただきありがとうございます。

 さて、前回のこちらの記事

ワインハイマー


 で掲載した画像のレディースの靴についてお問い合わせをいただきましたので、この機会にご紹介したいと思います。


 皆さまは『こぎん刺し』という言葉をお聞きになったことはございますか?


 これは青森県の津軽地方に伝わる伝統工芸である刺繡の名前になります。


 この刺繍は、東北地方のある歴史的な背景によって生まれました。


 それは東北地方の藩の財政のひっ迫により倹約令が出された江戸時代に遡ります。

 これは民衆に対して木綿を身に着けることを禁じ、安価である麻を身に着けるように命じたものでした。

 麻の素材は夏は涼しく感じられるのですが、寒さが厳しい東北地方の冬に身に着けるものとしてはとても耐えられないものです。


 そのため考え出されたのが、麻でできた布に「刺し子」と呼ばれる刺繍を施して麻布に厚みをもたせる技法でした。

 この技法は多くの人に受け入れられ、各地方で様々な模様や技法が発達していきました。


 倹約令が解かれることによって普段着として刺し子を身に着けることはなくなりましたが、今では青森県や山形県を中心に伝統工芸として多くの人々によって受け継がれています。

 その刺し子の一つが青森県の津軽地方に伝わる『こぎん刺し』というものです。





 特に幾何学模様などの連なったパターンを刺繡するのが、こぎん刺しの特徴となっています。


 以前、そのこぎん刺しの作家さんとのコラボレーションをする機会があり、その刺繍を施したレディースの靴を作ったことがあります。


 そのいくつか作ったサンプルの一つを前回の記事に掲載しました。


 革の部分はドイツのワインハイマーという高級革を使い、サイドの部分などにこぎん刺しの布をあてました。

 マニッシュ(男性的)な靴のデザインでワインハイマーの革を使ったため、重厚感のある靴になりそうなのですが、市松模様などシンプルなパターンの刺繍を施し、つま先も丸く仕上げたため、全体的にかわいらしく仕上がりました。






 こぎん刺しとワインハイマーの革、裏はフランスのデュプイのライニングなど、今から振り返るととても贅沢な靴だったと感じます。

 昔の質素倹約の考えからは遠くにあったかもしれません。

 

 さて、こちらはオーダーメイドの靴店をうたっていますので、お客様の様々なご要望にお応えしたいと思っています。

 基本的に一点ものをお作りしますので、このようなデザインや形、技法などのご要望もいろいろ取り組んでいきたいと思っています。

 あなただけのお好みのオーダーをお聞かせください。