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さて今回は、Uチップの靴の制作をご覧ください。
前回はアウトソールの加工までお伝えしました。

今回はその続きで、出し縫いの糸を作り、それを縫っていきたいと思います。
ではまず、糸を作っていきましょう。
わたしはこのような麻糸を使っています。

麻糸は他の糸に比べ強度が高いという特徴があります。
そして水にも強いため、古くから靴の素材に使われてきました。
その麻糸の先端をほぐして針に巻き付けます。

麻糸が頑丈だとしても、このままの状態で靴にするとやはり糸が切れたりすぐに劣化してしまいます。
そのため、着色した後にチャンで強度を加えます。
針に巻き付けた状態がこちらです。

画像では少しわかりにくいのですが、化学繊維の糸を針にして、それに巻き付けています。
以前はこの針にイノシシの毛を使っていました。
長さやコシが、出し縫い用にちょうど適していたからです。
ただ10年ほど前から、クオリティに大きなばらつきが生じてきました。
なかには手に入れたイノシシの毛が短すぎて、ほとんど使えない時もありました。
そのため今では私を含め多くの職人は、化繊の糸を使っています。
そしてこのような針で穴を開け、縫い進めます。



ぐるっと外周を縫うことができたら完成です。



ソールの蓋を閉じたら、ヒールを作成します。