Uチップの靴(3)



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 さて今回は、Uチップの制作の続きをご覧いただきたいと思います。


 前回は革を切り出して加工する工程までご紹介しました。







 ではその続きです。

 まず、漉き機を使って革の厚みを調整します。







 なぜ厚みを調整するのでしょうか?


 革をそのまま貼り合わせると厚みが2倍になります。

 それを靴にして履くと、足に痛みが生じたり、段差が生じて美しさにも欠けます。

 そのため、革を貼り合わせる各箇所の厚みを薄くします。


 厚みを薄くし、革を貼り合わせたら、ミシンで縫っていきます。







 かかとの縫い目は、ウマと呼ばれる道具を使って整えます。







 表と裏の革を貼り合わせて縫うと、余分が生じます。

 その部分は「市切り」という工具を使って切り取ります。







 次はUチップの最大の特徴であるモカを縫っていきたいと思います。

 この部分はミシンではなく手で縫い進めていきます。


 まずつま先のセンターシームを縫います。


 床面(裏側)から針を入れ、断面から針を出す方法です。







 このように縫うことができました。







 センターシームができたら、モカも縫い進めます。


 これはライトアングルステッチと呼ばれ、ライトアングル…つまり直角に革を貼り合わせて縫う方法です。







 そのようにしてアッパーが完成しました。







 この次は木型に中底を貼り、つり込みを行います。