Uチップの靴(2)



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 カワムラヒデトモでは、ビスポーク靴とレディースシューズ、靴修理を行っています。

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 さて今回は、Uチップの製作工程をご覧いただきたいと思います。


 以前のブログで、型紙(パターン)が出来上がったところまでお伝えしました。







 今回はその続きで、このパターンを使って革をクリッキング(裁断)していきたいと思います。

 まずパターンを革の上に乗せて、裁断します。







 私はナイフを使って裁断しています。

 するとこのように革を切り出すことができました。







 写真を撮っていなかったのですが、このあとは漉き機を使って革の厚みを調整します。

 通常であればこのあとはミシンで縫っていくのですが、今回はその前にモカに加工を施したいと思います。


 Uチップの場合、最大の特徴となっているモカを縫わなければなりません。

 そのステッチの種類はじつに様々です。


 例えば、まずミシンで縫う方法とハンドステッチ(手縫い)があります。


 そのハンドステッチにもいくつかの種類があります。

 革を貫通させる方法や、貫通しない縫い方もあります。


 今回のモカは「ライトアングル(直角)」と呼ばれる、革を直角に当てて縫う方法になります。







言葉で表現するのは難しいのですが、針を貫通させず革の厚みの間に通すことによって、糸目が表に表せる縫い方になります。


製造メーカーによって縫い方が異なるのですが、私の場合はあらかじめ針で穴をすべて開けておきます。


そのための道具がこの針です。







 先端を加工してモカを縫うための専用の針にしています。


 この針を使って、革に穴を開けていきます。







 縫い目がきれいに揃うように、一定のリズムで針を通します。

 そのようにして、穴を開けることができました。







 この次はミシンで各パーツを縫っていきます。


 この靴の制作が進んだら、またご紹介したいと思います。