Uチップの靴(1)



 当ブログをご覧いただきありがとうございます。


 カワムラヒデトモでは、ビスポーク靴とレディースシューズ、靴修理を行っています。

 ブログではおもに靴作りの様子をお伝えしています。

 ブログに関するご感想やご質問もお待ちしていますので、どうぞメールフォームからお寄せください。



 さて最近Uチップの制作が始まりましたので、ご紹介いたします。



 Uチップは人気のデザインで、以前にもブログでお伝えしたことがあります。







 Uチップのデザインはいつも難しく感じます。


 どうしてなのでしょうか?


 ビスポークの場合、基本的に左右の木型の形や大きさが異なります。

 それぞれの足の形や大きさに合わせて作るからです。


 しかし、左右の靴を揃えた時になるべく違和感を感じることのないようにしなければなりません。


 特に甲は靴の顔と言える部分です。

 モカの形や大きさが少しの差であっても違いが目立つことがあります。


 そのため履き心地に影響しない範囲で、モカの形や大きさを揃えます。

 そして左右の木型の差が大きければ大きいほど、このデザインバランスの難易度が上がります。


 そのためデザインの段階から何度も試し、アッパーが出来上がった後でも、ちょっと違うと感じて作り直すこともあります。


 さて今回の靴はサンプルのため、木型は修正しません。

 そのためビスポークより気持ちを楽にして作ることができます。


 何のためのサンプルなのかはまた改めてお伝えしたいと思います。




 さていつものように木型にデザインします。

 モカのバランスなどを考慮して、ステッチまで描きます。







 デザイン出来たら、パターンを作っていきます。


 木型にデザインテープを貼り、型を採ります。







 木型からデザインテープをはがし、クラフト用紙に貼ります。

 そうすることによって、木型の立体的な形から平面の形に変換します。


 それを段階的に革を切るためのパーツに展開していきます。


 ペンやコンパスなどを使い描きます。







 そのようにしてパターンができあがりました。

 これを革の上に置いて、切り出します。







 このパターンを見て、Uチップのデザインがよくわかるのではないでないでしょうか?

 制作が進んだら、またご紹介したいと思います。