Uチップの仮つり込み



 ブログをご覧いただきありがとうございます。


 今回は、出来上がったアッパー(革)のつり込みを行っていきたいと思います。

 つり込みというのは、木型の上に革を被せていく工程になります。

 これを行うことによって、靴としての大まかな全体像が見えるようになります。


 さて私の場合、その前に「仮」のつり込みを行うようにしています。


 なぜ仮が必要なのでしょうか?

 それは、思っていた通りに木型につり込むことができるのか確認するためです。

 そして、革にあらかじめ癖付けする意味もあります。


 特に今回使っているフランス・アノネイのボカルーカーフは、しっかりとしたハリとコシがある革です。

 そのため、問題なくつり込むことができるのか特に確認しておく必要性があります。





 そのようなわけでいつものようにつり込みを行っていきます。

 このときに使っているのは、ワニと呼ばれる革を引っ張る工具と釘です。





 これらを使って、大まかにつり込みを行います。

 釘は必要最小限にとどめます。





 このときに何を確認するのでしょうか?


 まずモカの形やバランス、余計なシワや隙間がないか、左右の靴のバランスなどをチェックします。


 特に今回の木型はかなり肉付けして修正を加えています。

 画像を見ても、この靴の幅がかなり広いことにお気付きだと思います。

 左右の木型にかなりの差がありますので、全体のバランスが重要になってきます。


 そのようなわけで、両足を簡易な仕方でつり込みました。





 つり込みを行うと、靴としての全体像が見えてきます。


 さてよかったことに、木型にぴったり合いました。

 これは偶然ではなく、紙や革を使って事前に確認したからです。


 そのようなわけで、この次に実際につり込みを行っていきます。

 まだほかにつり込む靴がありますので、それも同時に取り掛かりたいと思います。