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カワムラヒデトモではビスポーク、オンラインショップ、靴修理を行っています。
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さて今回も2アイレットのダービーの制作の続きをご覧いただきたいと思います。
前回は、修正したパターンをもとにクリッキングしたところまでご紹介しました。


今回のデザインはフルブローグのため、まずパーフォレーション(飾り穴)を開けます。

そしてつま先は、メダリオンの穴を開けます。

今回のメダリオンは、葉っぱをモチーフにしたオリジナルのデザインになっています。
そのようにパーフォレーションとメダリオンの穴を開けることができたら、漉き機で厚みを調整します。


それができたら、次はミシンで縫い進めます。


さて、このようにアッパーを縫うところまで進めたのですが、つま先を縫っている時に失敗してしまいました。
ミシンの針が予定しているラインを外れてしまいました。
履き心地には影響はないのですが、つま先であることもあり、かなり目立ちます。
そのため、最初からやり直すことにしました。
このようにミシンに限らず、靴作りの様々な工程で失敗することがあります。
靴のメーカーに勤めていたころも経験しました。
中規模以上の靴メーカーは、基本的に分業制になっています。
私は底付けという工程を担当していました。
もしも自分が何か失敗すると、次の仕上げの工程の人に謝りに行ったことがあります。
一方で、前の工程の人が失敗したものを引き継ぐこともあります。
その企業ではクオリティのレベルが設けられていて、その基準に達していないとやり直します。
今回生じたミスは、他の靴メーカーにとっては問題にならないかもしれません。
しかし今作っているのは私の名前を冠した靴です。
ご満足いただき、何年も末永くお履きいただきたい靴を作っています。
そのため基準を高くし、一足一足丁寧に仕上げています。
いい加減なことはできません。
アッパーを作り直します。
さて今回なぜ失敗したのか考えました。
毎回、その日に行う作業の計画を立てるのですが、今日は予定より少し遅れていました。
そのため、すこしペースを上げていつもより忙しくしていました。
さらに作業とは関係ない予定外の出来事が起きたため、集中力が途切れていました。
私の場合は集中力が欠如すると、それがミシンの縫い方に表れます。
落ち着いて行えばよいのですが急いでいたこともあり、失敗に至りました。
結果的に余計な時間がかかってしまいます。
今日中にアッパーが完成する予定でしたが、ここで中断します。
ナイフを研ぎ、革を裁断する工程に戻ります。
今回の失敗を次に生かし、集中力を高めて作りたいと思います。