今回は靴に装飾を施すための工程をご紹介したいと思います。
さて、製造工程はいよいよ終盤に入っています。
これからは見た目を美しく仕上げてくれる工程に入ります。
その時に使う工具はいくつかあるのですが、前回はヒールにギザギザの模様を刻むシートウィールをご紹介しました。
今日はおもに本底の底面に施す装飾についてお話したいと思います。
本底の装飾は履き心地には影響しないため、各メーカーによって仕様は様々です。
今回のテーマのように飾りゴテを使ったり、色を縫ったり、化粧釘を施したりします。
一方でシンプルに何も施さない場合もあります。
各メーカーが作りたい靴の雰囲気に合わせてその方法を選択しています。
飾りゴテを使う場合でも、その模様や方法は様々です。
いろいろな模様の工具を取り揃えている職人さんもおられます。
今回使ったのは、日本の職人さんが製作された飾りゴテです。

車の模様はいろいろなパターンがあるのですが、この飾りゴテは唐草模様になっています。
日本らしいデザインですね。

唐草には、つる草が四方八方に伸びて絡み合うる様子から繫栄や長寿の意味があるようです。
縁起の良い模様だということが分かります。
さてこの飾りゴテを見ると、2ミリの幅の中にとても細かい唐草模様が刻まれているのが分かります。

様々な飾りゴテを見たことがあるのですが、これほど高い技術のコテを見たことがありません。
残念ながら現在は同じものを手に入れることができません。
これからも大切に使わせていただきたいと思います。
さて、これを少し温めて本底のハーフペイントの境界に施していきます。
ゆっくりと動かして唐草模様を刻んでいきます。

境界に唐草模様を刻むことができました。

