今回はちょっとブレイクして、普段使っている陰の主役についてお話ししたいと思います。


 「釘」です。





 様々な製造現場で使われている釘ですが、靴を作る場合もなくてはならないものになっています。


 靴の場合も使う工程によって多くの種類の釘があります。


 靴の工程でまず初めに使う釘が、イタリア製の25ミリの釘です。





 最初に釘を使うときは木型に中底を固定する時かもしれません。





 水に浸した中底を木型に貼り、3つのポイントと外周に釘を打ち付けて固定します。

 そして次に使うときが、つり込みの時です。





 アッパーを木型に合わせるときに釘を使って固定します。

 イタリア製の25ミリの釘は、細くて長いのでアッパーを固定するときに重宝します。





 一方、かかとは短い釘を使用します。





 タックスとも呼ばれます。


 つり込んだ時のメンズのヒールは11ミリ、本底を貼って固定するときは14ミリなど、長さを使い分けます。

 以前は日本製のタックスだったのですが、今は海外製に代わられつつあるようです。


 そして釘は金属だけでなく、木製のものもあります。





 ペイスと呼ばれます。

 これは特に本底を貼った時のかかとや積み上げヒールの時に使います。

 水分を含ませると膨張し、ガッチリと固定できるのと、金属の釘に比べて軽くなる点で利点があります。



 また真鍮製の釘もあります。





 これは金属の中でも柔らかい素材です。

 これをトップピースに打ち込みます。

 おもに飾り用なのですが、柔らかいので靴底と同じように減っていくようになっています。

 



 いかがでしたでしょうか。

 靴の分野でも用途に応じて様々な釘が使われていることを感じられたのではないでしょうか。