今回は足をどのようにして計測するのかご紹介したいと思います。
足はとても複雑な形をしているため、その計測方法も様々です。
その方法は靴メーカーや職人によって異なっていて、それぞれが最善だと思う方法で計測しています。
オーダー靴を複数のお店で作られたご経験がある方はお分かりかもしれませんが、お店によって全く異なります。
例えば、メジャーで足のいくつかの箇所を測る方法や、フットプリントと呼ばれる足の圧力を計測する方法、石膏を使って足の型を取る方法、さらに機械の上に載って自動的に測ってくれる方法など様々です。
もしかすると、ほかの方法もあるかもしれません。
たくさんの方法があるということは、これが絶対的な方法はないという意味なのかもしれませんね。
どのような計測方法であっても、どの職人も自身の感覚を研ぎ澄ませ、真剣に向かい合っています。
実際に職人に靴づくりで一番気を遣うのはどの工程か尋ねると、多くの人は足の計測と木型を答えると思いますよ。
さて私の場合ですが、その足の計測はシンプルにメジャーとボールペンといくつかの定規を使っています。

以前はフットプリントやスクライバーと呼ばれるものを使っていたこともあります。
スクライバーというのは、足の周りをなぞって、足の外形を測る道具です。

そのようにメジャーなどを使って計測したものがこちらです。

足長や足幅、足囲に加えて、つま先やそれぞれの関節の位置や高さ、足首周辺の高さや長さ、甲の高さ、アーチの形状、指の位置や長さ、出っ張りや凹み、肉付きなど、様々な情報を書き加えていきます。
そのほかにも、普段靴を履いていてどのような悩みを抱えているかなど、付加的なことをお聞きします。
下の二つのドラフトを比較していただけるでしょうか。

こうして比較すると、人によって足の形は様々だということがよく分かりますね。
どんな足の形をしていたとしても、足の長さだけで靴を選ぶと不具合が生じる可能性があるということがお分かりいただけるかもしれません。
そういうわけで、このドラフトとお尋ねした情報をもとに木型を作っていきます。