足を計測するときの方法はお店や職人さんによって様々です。
メジャーで測る方法だけでなく、石膏を使って足の型を採ったり、フットプリントという足裏の圧を測る方法、または3Dなどの機械を使って瞬時に計測する方法を採用しているところなどがあります。
いろいろなお店でオーダーされた方は、お店によって計測の仕方が全く異なることにお気づきだと思います。
足の計測は靴づくりの上で最も重要な工程の一つですので、もっといい計測方法はないかと様々な方法が試みられています。
職人一人一人が「これが一番だ」という方法で計測しているんですね。
どんな方法を用いるとしても、快適な履き心地を届けたいという思いは変わりません。
さて、私の場合は以前の記事でもご紹介したように、紙の上に足を乗せていただきメジャーで測るという最もベーシックなものです。
これまでに多くの方に足の測り方を師事する機会に恵まれたのですが、そこで学んだ方法を自分なりにアレンジを加えています。
さて、計測に使うドラフトの紙を今回新しく作りましたので、どういうものなのかこれを機会にご覧いただきたいと思います。

ご覧のように縦長の用紙で上下に必要な情報を記入できるいたってシンプルなものです。
ここでご注目いただきたいのは、左右の表を比べると上下が逆に印字されているということです。

どうしてだと思われますか?
木型を作るとき、ドラフト用紙はかかとを手前にします。
しかし一方で、足を計測するときは向かい合うため、つま先側から見ていきます。
そのため、足を計測するときは上下を逆にした方が記入しやすくなります。
実際に記入したドラフトがこのようになります。


以前のドラフトと比べると、数字をまとめて記入しているので、スッキリとしたものとなりました。
これで木型を作るとき少し見やすくなりました。
今回は作り手側から見る内容でしたが、昔からほとんど変化のないように見える靴づくりでも少しずつアップデートしていることを知っていただければと思います。