漉き機のグラインダー交換






 ブログをご覧いただきありがとうございます。


 今回は漉き機のお話です。

 私が普段使っているニッピの漉き機です。





 これは革の厚みを調整する機械です。

 包丁やナイフを使った手漉きを行うこともあるのですが、漉き機を使うことによって作業効率を大幅に向上させてくれています。


 よくできた機械で、その重厚感も相まって何年使っても全く壊れる気配がありません。

 ただ最近漉き機を使っていると、漉いた後の革の面が波を打つようになってきました。


 漉きの刃を見てみると、大きな傷が入っています。

 アッパーに使う革以外は使うことがないので原因を探っていたところ、グラインダー(グラインダー砥石)が大きく欠けていることが分かりました。


 グラインダーというのは漉きの刃を研ぐための砥石のことです。

 革を漉く前にグラインダーで刃を研ぐことによって、しっかり切れるようになります。

 このグラインダーが一部欠けていたためにそれで研いだ刃に傷が入っていたようでした。


 そのようなわけでグラインダーを新しいものと交換したいと思います。


 漉き機を上に持ち上げて作業に取り掛かります。





 すると左の奥にオレンジ色の円盤が見えてきます。

 これがグラインダーです。

 これが回転して漉き刃に当てることによって刃を研ぐ構造になっています。





 すり減り具合としてはまだまだ使えると思うのですが、今回はこれを交換したいと思います。

 レンチを使ってネジを緩めグラインダーを外します。





このように取り外すことができました。





並べてみると少しすり減って小さくなっているのが分かります。





 新しいグラインダーに交換し取り付けます。

 漉き刃と合わさる角度を調整し、ボルトを締めます。





 何年も漉き機を持ち上げてメンテナンスすることがありませんでしたので、この機会に中を掃除したりオイルを注入しました。

 また、漉き刃や漉きダルなどの角度や隙間も調整しました。


 その後、新しいグラインダーで刃を研いでいきます。

 火花は15センチくらい出る程度がベストのようです。


 グラインダーで漉き刃を研ぐことができたら、試しに革を漉いてみます。

 以前のように波を打つこともなくなっただけでなく、革もよく切れるようになりました。


 このようにときどき分解して、各パーツを掃除したり調整することの大切さを学ぶことができました。

 これからもこの漉き機は自分の靴作りを助けてくれそうです。