靴を作るときに様々な工程でヤスリを使います。
靴作りでまず最初にヤスリを使うのは木型を削るときです。
このヤスリは木工ヤスリなどと呼ばれています。

平面や丸面、粗さなど自在に変えながら木型を削ります。
ヤスリはそのほかにも、コテを加工したりガラスを割るときの刃ヤスリやダイヤモンドヤスリ、本底を整える万能ヤスリなど使用します。
さて今回は靴作りの多くの場面で使う、木やすりについて取り上げます。
木やすりと言っても金属製です。

これは長くて平たい形をしていて、片方が平面、もう一方が少しアールになっています。
その見た目から「ナマコ」と呼んだりします。
このヤスリにはたくさんの目があるのですが、実は職人さんが一目ずつ叩きながら起こして作っています。
とても手間がかかっているんですね。
これをコバやヒールを整えるときに使います。
フィニッシャーなどの機械で削っていると思われるのですが、私はこの木やすりを使い手で削っています。
さて、コバにウィールをかけることができたら、次にコバの側面をこの木やすりで整えます。

木やすりを使った後の革の表面は、まだ粗い状態です。
そのため、次にガラスとペーパーやすり、コテを使ってきれいに仕上げていきます。