さて、靴作りは終盤の仕上げ部分に入ろうとしています。
以前のブログでは、飾りゴテについて取り上げました。
今回はそれと同じような役割を持つ小口ゴテについてご紹介したいと思います。

これは長細い形をしていて、ほかのコテに比べて薄く作られています。
何に使うかと言いますと、これを使ってヒールの角に縁取りを作ることができます。
実際に行ってみましょう。
コテを少し温めて色つき(今回は茶色)のワックスに当てます。

解けたワックスが付いたコテをヒールの角に当てると、ヒールに縁取りの線を描くことができます。

用途はこれだけではありません。
このほかにもヒールのアゴに線を引いたりすることもできます。
また、小口ゴテはコテの中で一番薄いという特徴を生かした使い方ができます。
例えば、革の凸凹を修正したいというときにこれを温めて当てると、平らな面を作ることができます。
コテが薄いのですぐに温めることができ重宝しています。
きっと職人さん一人一人、様々な使い方をされているのではないでしょうか。
万能タイプの工具と言えます。
さて、コテを使う工程はこれで終了し、つぎに靴を覆っていたビニールのカバーを取り外します。
それができたら靴磨きの工程に入ります。