仮アッパー






 当ブログをご覧いただきありがとうございます。


 4月になりました。

 気候も穏やかな日が続き、少しづつ暖かくなってきましたね。

 私が活動している大阪では桜が咲き始めています。

 皆様の場所ではいかがでしょうか。

 

 さて前回のブログでは、パターンができあがった後に、紙アッパーでつり込み具合を確認したことをお伝えしました。


 この次の段階は、仮縫いの靴(トライアルシューズ)を製作していきます。

 トライアルシューズとは、フィッティングを確認するためにお客様に履いていただく仮の靴です。


 しかし今回は革のアッパーでモカのバランスを確認する必要を感じました。

 そのためトライアルシューズの前に、革を使って仮のアッパーを作り、つり込み具合を確認したいと思います。


 つまり、段階としては

  パターン
   ↓
  紙アッパー
   ↓
  仮アッパー
   ↓
  仮縫いシューズ
   ↓
  完成品


 という流れになります。


 そのようなわけで、修正したパターンを基に仮のアッパーを作ります。

 仮縫いの靴(トライアルシューズ)では完成品と同じ革を使うのですが、仮アッパーはエナメルの靴を使っています。





 エナメルは表面の加工によって、光をよく反射します。

 そのためライトの光に当てると、つり込んだ時の表面の凹凸がよくわかるからです。


 ではアッパーを製作します。

 革の上にパターンを乗せ、クリッキングします。





 革を切ったら、漉き機を使って革の厚みを調整します。





 そしてミシンで縫っていきます。





 今回はつり込みを確認するだけのため、モカやステイのハンドステッチは省略してすべてミシンで縫います。

 アッパーが出来上がったら木型につり込んでいきます。





 モカの形やバランス、不自然なシワや隙間がないか、かかと、つり込みしろ、トップラインや全体のバランスなどをチェックします。

 画像ではわかりにくいのですが、木型にかかとのあたりまで革を加えているため、幅がかなり大きくなっています。

 また、左右の木型の形も異なっています。


 つり込んでみたところ、羽根とモカの修正の必要を感じました。

 今回得られたこれらの情報を基にパターンを修正したいと思います。


 それが出来たら、仮縫い用の靴を製作します。