仮つり込み

 

新しいモデルのパターンを作った時は、そのパターンで靴を作っても不具合がないか実際につり込みをして確認します。

 

つり込みによってパターンの段階では気づかないことが、明らかになることがあるからです。

 

それで、一度この段階でサンプルの靴を作ります。

 

 

まず、木型に中底を貼ります。

包丁で中底の内側と外側に溝を掘り、リブを作ります。

 

 

次に、完成したパターンからサンプル用のアッパーを作成します。

今回は、オックスフォード(内羽根)のデザインになります。

 

 

では、実際につり込んでいきましょう。

今回は問題がないか調べるためだけですので、大まかに釘を中底に打っていきます。

 

 

なんとなく靴らしい形になったのではないでしょうか。

 

このように事前にサンプルを作り、仮のつり込みを行うことによって何がわかるのでしょうか。

 

全体的な靴のデザインのバランス、つり込みしろは適切か、つり込みしやすいか、つり込んだ時にどこかに無理に力がかかっていないか、不自然な隙間ができていないかなど様々なことが分かってきます。

 

デザインテープと紙を使ってパターンを作った場合と、実際の革を使ってサンプルを作り、つり込んだ時とではやはり結果は少し異なってきます。

 

このようにして、より本番に近い仕方で状態をチェックできるようになります。

 

今回の場合、前足部のつり込みしろが少し足りないような気がしました。

それで、パターンのつり込みしろを3ミリほど足して修正したいと思います。

 

これで、靴を作る準備ができました。