モンクストラップシューズ―9



 ブログをご覧いただきありがとうございます。

 カワムラヒデトモではビスポーク、オンラインショップ、靴修理を行っています。


 こちらのブログでは製作の様子をご紹介しています。

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 さて今回もモンクストラップシューズの制作をご覧いただきたいと思います。

 昨日はつり込みの様子をご紹介しました。







 今日は芯材などを装填する様子をご覧いただきたいと思います。


 靴の中心には芯材が埋められています。

 芯材にはどのような役割があるのでしょうか?


 靴は屈曲する部分と動かさない部分があります。

 足の指の部分はソールが曲がるように作るのですが、足の後ろ部分は固定します。

 そうすることによって快適な歩行を促します。


 そのように靴を固定する役割を果たすのが芯材です。


 さて今回の靴は、バッカーと呼ばれる部材を使います。

 バッカーに使われる素材もいろいろあるのですが、カワムラではアウトソールの革を使っています。

 それを用意し、必要な形に切り出します。







 そしてこれをソールに合うように表面を加工します。

 今回はフィドルバックではなくラウンドにするため、そのようにカーブを描くように形作ります。







 これを靴の後ろ部分に貼ります。


 さてこのときに貼るのは芯材だけではありません。

 前足部にも隙間があるのでそれを埋めます。


 その素材を「中物(なかもの)」と呼びます。

 これは隙間を埋める意味だけでなく、クッションの役割や足に馴染むようにする役割を果たします。



 中物に何を使うかはメーカーによって様々です。

 ウレタン、革、フェルトやコルクがよく用いられます。

 素材は作る靴に合わせて各メーカーが選んでいます。


 カワムラでは通常コルクシートを使っています。

 そのほか、靴修理や特別なオーダーの場合は練りコルクを使うこともあります。

 

 これを隙間にぴったり収まるようにします。

 そのようにして、バッカーとコルクを装填することができました。







 この次はアウトソールを加工してから貼ります。

 しばらくソール周りの工程が続きます。