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さて制作中のモンクストラップシューズを今回は取り上げたいと思います。
前回のブログでは、ヒールを仕上げたところまでお伝えしました。

今回は色を塗って、さらにコテをかけて仕上げていきたいと思います。
まずインクを塗って着色します。
今回の靴は明るめのブラウンのため、インクもそれに見合った色にします。

インクが乾いて落ち着いたら、コテ(アイロン)をかけます。
この工程までに何度かコテを使ってきたのですが、今回は温めて使います。
このような昔ながらの電気コンロの上に必要な工具を乗せて使います。
このようなコテ温めて使う理由は革を寝かせ、ロウを溶かし入れて表面を滑らかにする効果があります。

コテが適切な温度になったら、ヒールやコバに当てます。
ヒールには、形がイチョウの葉に似たイチョウゴテを使います。

さらに必要な箇所に飾りゴテをかけます。
画像ではわかりにくいのですが、このコテには日本の伝統的な模様の唐草模様が刻まれています。
2ミリ程度の幅に細かく刻まれていて、職人の技術の高さを知ることができます。
残念ながら今はもうこのような精緻な工具は作られなくなっています。


これを温めて、ソールのハーフペイントの境界や外周に当てます。
そうすると唐草模様を刻むことができました。


コテを使って仕上げたら、木型を抜き、中敷きを貼ります。
もうすぐ完成が近づいています。
また是非ご覧ください。