モンクストラップシューズ―11



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 カワムラヒデトモではビスポーク、オンラインショップ、靴修理を行っています。


 こちらのブログでは製作の様子をご紹介しています。

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 さて今回は、製作中のモンクストラップシューズについて取り上げます。

 前回の記事では、出し縫いの様子をお伝えしました。







 今回はその続きで、コバをきれいに整えていきたいと思います。


 今作っている靴のソールは、ベヴェルドウェストという加工方法になっています。

 そのベヴェルドウェストの最大の特徴となっているのが踏まず部分(ウェスト)です。


 ベヴェルドウェストの仕上げ方は職人によって様々なのですが、私の場合はウェストとフォアパート(ここでは踏まずより前の部分)を完全に二つに分ける方法を採用しています。







 まず始めに、このウェスト部分を加工します。

 それにはこのようは「豆ふまずコテ」を使います。







 このコテの先端は少しアールがかけてあり、それを踏まずに当てることにより形作ることができます。







 角度や力の入れ具合によってアールを描くことができます。

 このように踏まず部分ができたら、それ以外のコバも仕上げます。


 まず始めに包丁でコバの外周を切りまわし、「木やすり」という靴専用のやすりを使いさらに整えます。

 そしてガラス片、粗めのサンドペーパー、細かいサンドペーパーというように段階的に少しずつ変えていきます。







 靴作りに詳しい方は、コバやヒールはフィニッシャーという機械で削っていると思われているかもしれません。


 ほとんどの靴メーカーではそのようにしていると思うのですが、カワムラではオーダーメイドの靴に関してはフィニッシャーを使っていません。

 一方で修理の場合はケースバイケースで、フィニッシャーを使ったり、木やすりを使ったりすることがあります。



 さて本日はここまでです。

 まだコバの加工は続きます。

 次回以降にまたお伝えしたいと思います。