ベヴェルドウェスト






 今回はベヴェルドウェストについてお話したいと思います。


 ベヴェルドウェストとは何のことでしょうか?


 靴にはコバと呼ばれる糸目が見える出っ張りがあります。

 ウェスト(踏まず)の部分だけ張り出しを抑えて、ドレッシーに見せる仕様のことです。





 カワムラヒデトモでは、内羽根の靴はこれを標準仕様にしています。

 一方で外羽根はどちらかというとカジュアルなタイプになるために、オーダーがない限りコバはベヴェルドウェストではない通常の仕様にしています。


 ではベヴェルドウェストの製作の様子をご覧いただきたいと思います。


 前回まででバッカーやコルクを中底に貼ったところまでご紹介しました。

 その後、本底を加工し貼ったあと、外周をトリミングすることができました。





 通常の仕様はこのあと出し縫いをかけるのですが、今回作っている内羽根の靴はベヴェルドウェスト仕様のため、さらに本底に加工を施します。


 まず踏まず部分にエッジからの平行線を引きます。





 今回は7ミリ幅にしました。

 その線をガイドにして、線から外側の厚みを少しずつ薄くしていきます。


 次に薄くした部分をハンマーで叩いて、上に立ち上げます。

 このように薄くして叩くことを何度か繰り返します。

 すると踏まず部分の本底の革がこのように立ち上がっていきます。





 ここまでの段階まで来たら、踏まず部分は途中ですが一旦ここで終えます。

 このあとは出し縫いをかけていきます。

 踏まず部分はの加工の続きは、出し縫いが終わった時にご紹介したいと思います。