ヒールの加工






 ブログをご覧いただきありがとうございます。


 さて前回まででトップピース(トップリフト、化粧革、ラスターなど)を取り付けることができました。


トップピース



 このあとはヒールのアゴや側面を整えていきます。


 私の場合はヒール作りに多くの時間を費やしています。

 あまりヒールは注目されることはないのですが、実はとても奥が深い工程だからです。


 一般的なメーカーでは、このときはフィニッシャーという機械を使うのですが、私は木やすりなどを使って少しずつ仕上げていきます。


 一枚革の同じ部位から切り分けているのですが、特に水に浸すとわかるのですが、柔らかさなど一枚ごとに個性があります。

 さらにヒールの高さや形や角度、左右の足の違いなど考慮することは多岐に及びます。

 そのため、こだわるとキリがない工程とも言えます。


 今回はその様子をご覧いただきたいと思います。


 包丁で切りまわすことができたら、木やすり、ガラス、サンドペーパー、コテの順に仕上げていきます。

 木やすりを使ったあとの状態がこちらです。





 木やすりを使って平面になりましたが、ヤスリの目の跡が残ります。

 それを今度はガラス片を使ってなだらかにしていきます。


 ガラスは板を使いやすいように切り分けて使います。

 まず、刃ヤスリでガラスの側面に少し傷を入れます。





 次にテーブルなどの角に当てると、パキッと割れます。





 このようにアールを描くように割ります。

 これをヒールに当ててスライドさせてカンナを使うように削っていきます。

 これがガラスを使ったあとの状態です。





 ガラスを使うことによって、面を整えることができました。

 さらに、サンドペーパー(粗い→細かい)を使って細かい傷をなくして革を寝かし、最後にコテで仕上げます。

 アゴの部分も同様です。


 ヒールにサンドペーパーをかけることができたら、ナイフと面ヤスリを使ってヒールの上部を整えます。

 その後、コバをヒールをインクで着色していきます。