出し縫いを施すために、まず本底側に糸を収めるための溝を作らなければなりません。
この溝を作ることによって、歩いてすぐに糸が切れてしまうことを防ぎます。
その溝のことをチャネルと言います。
チャネルの中でも、本底側から糸目が見える仕様をオープンチャネルと言います。
このオープンチャネルは多くの場合、機械で出し縫いを縫うときに使われます。
出し縫い機で縫うと、ものの十秒ほどで縫い進めることができます。
しっかり溝に収めるために高い技術が求められる方法です。
さて一方で、糸目が表から見えないようにする方法をヒドゥンチャネルと言います。
今回はその方法をご覧いただきたいと思います。
まず、本底のエッジに包丁を入れて革に切り込みを入れます。

ぐるっと一周できたら、糸が収まる溝を掘ります。

この溝を作る方法ですが、日本において昔は「ひょっとこ」と呼ばれる工具が使われていました。

しかし現在では手に入ることのできないものとなっているようです。
今ではこれに代わる工具やナイフを使って溝を作ります。
私の場合はナイフと先端を加工したマイナスドライバーを使っています。
このように糸がしっかり収まるための溝を作ることができれば、出し縫いの準備ができました。