木型が用意できたならば、次の工程はパターンの製作になります。
パターンは型紙とも言うのですが、革を切り出すための型紙を作る工程です。
革は平面に仕上げれているのですが、一方で木型は立体でしかも複雑な形になっています。
もしも平面の革の状態で木型に釣込もうとすると、シワができたり、余分なスキマができてしまい、きれいにつり込むことができなくなります。
そのため、立体的にアッパーを作るための型を作ることが必要になってきます。
このパターンは様々な方法があります。
例えると、地球を地図にしようとするとき、モルワイデ図法や正距方位図法など、いろいろな地図があります。
それぞれには長所と短所があり、どの方法が完璧というものではありません。
それと同じように、パターンにもイギリス、イタリア、そして日本など様々な方法があります。
私の場合は、幸いそれらの様々な方法を学ぶ機会がありました。
どの方法が一番良いというものではなく、作る靴によって変えたり、アレンジを加えて製作しています。
では、型紙を作る工程をご説明いたします。
まず、木型にデザインテープを貼ります。
このように、センターラインで内側と外側に分けて、半面ずつ作っていきます。
デザインを描いた後、木型からデザインテープを剥がし、型紙に貼っていきます。
内側と外側それぞれ作り、カットしていきます。
これを一度、すべての情報を一枚の型紙に集約させます。
下の画像の型紙にはキャップやアイレット、タン、カウンターなどの情報が追加されています。
このたった一枚の型紙にすべての情報が記載されています。
これを革にカットする形に展開していきます。
この型紙をごらんになって、どんな靴が作られるのかなんとなくお分かりになったのではないでしょうか。
これは、オックスフォード、つまり内羽根の型紙になります。
この型紙が完成したら、これを革の上にのせて、革をカットしていきます。