パターン製作(2)






 当ブログをご覧いただきありがとうございます。


 ブログでは靴の製作の様子をご紹介しているため、靴職人を志しておられる方からのご質問をいただくことがあります。

 言葉や画像でお伝えできることには限りがあるのですが、遠慮なくご質問をお寄せください。

 またその他、製作以外についても皆様のご意見やご質問をお待ちしています。




 さて現在、工房では出来上がった木型に基づいてパターンを製作しています。


 今回は「デザインは黒のダービー(外羽根)で」という、とてもシンプルなオーダーです。

 いつくかのダービーのデザインをご提案したところ、Uチップで装飾などは施さないという結論に至りました。


 さてこの機会に当店の靴のデザインについてお伝えしたいと思います。


 当店の場合、パターンオーダーの場合でもデザインは自由にご指定いただけるようになっています。

 パターンオーダーでも一からデザインを起こしているからです。


 例えばウィングチップであればショートウィングやロングウィングなどご指定いただけます。



 パーフォレーション(小穴)やメダリオンを入れることも可能です。



 このようにご希望のデザインを遠慮なくお伝えください。

 お客様のご要望に沿ったデザインをご提案させていただきます。



 それでは製作の話題に戻り、黒のUチップのデザインで美しさと履き心地を両立させた靴を製作していきたいと思います。


 前回までのブログで木型を作る様子をご覧いただきましたが、その木型にデザインテープを貼っていきます。





 それを型紙用紙に貼り、革を切り出すためのパターンを製作します。

 左右で木型が異なるため、左右別々のパターンを作ります。


 パターン製作の時にデザインも作り上げていくのですが、お伝えしたように今回の木型は左右で形や大きさが異なります。

 Uチップなどモカの靴のデザインは、そのバランスが難しく感じます。

 特にモカは一番目に留まるため、なるべく左右の違いによる違和感を感じないように心がけます。

 履き心地を損なわない仕方で、左右の木型のデザインを近づけます。


 一度できあがったパターンは、それを使ってすぐに革を切り出すのではありません。

 そのパターンが木型にマッチするのか確認作業をします。





 クラフト用紙などの紙を使って一度木型に合わせてみます。





 紙は革より結果がタイトに出るため、確認するうえで役立ちます。

 シワや突っ張り、つり込みしろ、トップライン、羽根、モカの大きさやバランス、かかとなどをすべて確認します。


 ここで得られた情報を基にパターンを修正します。

 今回は羽根の部分に必要以上の余分がありました。

 そしてモカを少し修正したいと思います。


 そのようにして修正したパターンが出来上がりました。





 これを使って、試作用のアッパーを製作していきたいと思います。