今回はパターンオーダーで木型を調整する場合の方法をご紹介したいと思います。
足を計測し、ドラフトに様々な情報を記入していきます。
それに基づいて木型を製作します。

まずはドラフトの上に木型を置いて、足りない部分に革をアタッチしていきます。
中底や本底を切り分けた時に出た端材を使用します。

足と木型に大きな差がある場合は、その分 革の厚みが大きくなることになります。
フルオーダーの場合はお客様専用の木型になるので木型そのものを削っていくのですが、パターンオーダーの場合は木型本体を削るのではなくアタッチした革を削ります。
そして木型を少しずつ削って足のいろいろな箇所の数値に合わせていきます。
その木型を削るときに使うのがヤスリです。

初めは目の粗いヤスリを使い、目の細かいヤスリで整えていきます。
プラ木型用、木材の木型用、パテ用など使い分けています。
さて、計測の時に求められた数値の通りに作れるかと言えば、そういかない場合が多くあります。
どうしてなのでしょうか。
ご存じのように足は複雑な形をしています。
もしもそのまま作ってしまうととデコボコした靴になってしまいます。
足の通りに木型を作ると不自然なふくらみやシワが出てきたり、最後になって木型が抜けなくなることもあります。
皆様はご自身の足の個性を気にされている場合、その特長を強調してほしいと感じられるでしょうか。
むしろなるべく目立たないようにしたいと望まれると思います。
得られた数値やラインはとても重要ですが、過度にとらわれることなく木型を調整します。

木型によって履き心地がほぼ決まるため、目や感覚を研ぎ澄ませ削っていきます。
最後は木の棒を使って、アタッチした部分を整えていきます。
照明に照らして不自然な面がないか最終的にチェックします。
左右の木型を揃えてみて、特につま先などバランスが合っているかなども見ます。
木型のアタッチが完成したら、それを基にして仮縫い用の靴を製作していきます。
次はこの木型を基に型紙(パターン)を作ります。