ハリスツイードのラベルの取り扱いについて



 当ブログをご覧いただきありがとうございます。


 この記事ではハリスツイードのラベルについて取り上げたいと思います。


 ハリスツイードとはスコットランド発祥のツイード生地です。


 100%ピュアウールで織られ、その温かみのある高い品質の生地はあらゆるブランドのアイテムに採用され、世界中の多くの人に愛されています。

 皆様の中にも、ハリスツイードの生地が用いられたジャケットやバッグをお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。


 そうした高い品質のハリスツイードの信頼の証として、ラベルが貼られています。

 このラベルはときどきデザインが改定されるため、詳しい方はラベルを見ただけでどの年代に作られたアイテムなのか分かるそうです。


 さて、私は2015年に初めてハリスツイードの生地を用いた靴をいくつか作りました。

 今は画像しか残っていないのですが、このような靴です。




2015年製作の靴
2015年製作の靴




 当時のラベルは1種類だけだったと記憶しています。


 さてその少しあと、もしくはそのころ日本でハリスツイードのアイテムが流行しました。

 ハリスツイードのラベルを貼った靴やバッグが多く出回ったことをご存じかもしれません。


 それ自体はよいことだと思うのですが、ファストファッションを中心に、ほとんど生地を用いずラベルだけを貼っているようなアイテムが販売されました。

 なかにはネットでラベルだけが販売されることもありました。

 そうしたことは、ハリスツイードの信頼性や価値が棄損する恐れがあります。


 その結果、ハリスツイードのラベルの取り扱いに関して詳細なルールが作られ、今に至っています。



 具体的にどのようになったかと言いますと、一番大きな点としてアイテムによって使用するラベルが異なるようになったということです。

 例えばジャケットと帽子では使用するラベルの大きさが異なります。


 さて靴に関してですが、ハリスツイードの規約に基づいて「主に小さい製品や、Harris Tweed ™が製品の外面の50%を占めていない製品」に該当し、「⼩さなアクセサリーラベルとシームラベル」を使います。

 簡単に申しますと、靴には一番小さいラベルを取り付けなければならないということです。

 (なお、ジャケットやバッグなどその他のアイテムは生地が50%以上を占めていなければなりません)


 そのため、以前に作った靴のような大きなラベルを貼ったり、裏に取り付けることはできません。

 小さなアクセサリーラベル(ほぼ正方形)を直接縫い付けるか、シームラベル(縦長タイプを半分に折って取り付ける)を取り付けるのかのどちらかの方法を採用します。


 さてカワムラでは、一例としてシームラベルをこのように取り付けています。

 どこに取り付けるかはデザインによって異なり、お客様のご意見をお聞きしています。







 ハリスツイードのラベルに関する規約はたびたび改定されますので、それに合わせて制作いたします。


 カワムラではこのようにハリスツイードを用いた靴も制作してします。







 またキャンバス生地などを用いることも可能です。

 ウールや綿などの生地を用いると、カジュアルで温かみのある雰囲気の靴になります。


 今回ご紹介したように、革以外の生地も製作可能です。

 生地や靴に関してのご質問は、どうぞメールやお電話でお尋ねください。