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パターンが出来上がりましたので、それを使って革を切り出していきたいと思います。
クリッキングと呼ばれる工程になります。
これから革を切っていくのですが、その前に毎回行っている作業があります。
それが今回のテーマ、ナイフを研ぐということです。
革に限らないのですが、料理や工作などで刃物を扱う場合、よく切れる状態にしておく必要があります。
革に関しても同じで、事前に毎回研いでおくことにより作業をスムーズに進めることができます。
十分研いでいないとどうなるのでしょうか。
不必要な力がかかり、ガタガタになったり、革が垂直に切ることができず、ステッチが乱れたりミシンの針が落ちてしまうこともあります。
そのような理由で、ナイフや革包丁などをよく研いでおく必要があります。
結果として、美しいアッパーを作ることができます。
さて革を切り進めていると、しばらくして切れ味が悪くなります。
そうなるとその都度研ぐ必要があるのですが、職人によってはあらかじめ何本かのナイフや包丁を用意し、作業が始まる前にすべて研いでおきます。
以前このブログで描いたのですが、ある製甲師(アッパーを専門に製作する職人)さんの元を訪れたことがあります。
そのベテランの職人さんは革包丁を8本並べていました。
朝にそれらをすべて研いで、それから一日がスタートするそうです。
いったん革を切り始めると、包丁を研ぐために手を止める必要がないからです。
さて、私の場合ですが、8本とまではいかないのですが、毎回2本のクリッキング用のナイフを用意しています。
今回はその2本と底付け用のナイフの合計3本を研いでいきたいと思います。
用意するのはいくつかの番手に分かれた砥石です。

和食などの料理人の場合は天然砥石を使うと思うのですが、それほど繊細に研ぐ必要はないので、わたしは合成砥石を使っています。
これを予め砥石を十分水に浸しておきます。
では研いでいきたいと思います。
まず、ダイヤモンド砥石を使って、砥石の表面を平らにします。

その後、実際にナイフを研いでいきます。
特に刃がかけていなければ、私は3000番から始めています。
底付け用は今回1000番から研いでいきます。
さて研ぎ進めると、このように研ぎ汁が出てきます。

この研ぎ汁がさらに研ぎ進める助けになってくれます。
合計3本のナイフを研ぎ終えることができました。

砥石を使って研いだら、青棒で仕上げて完成です。

製甲の時はナイフか包丁を使うのですが、私の場合は基本的にナイフを使い、ビーディングテープ(玉だし)などまっすぐに切る場合は包丁を使っています。
ナイフを研ぐことができたら、革を切っていきます。