ブログをご覧いただきありがとうございます。
さて、このブログは基本的に毎日更新しています。
業務が終わった後の午後23時~午前1時ごろに新しい記事を掲載します。
なるべく毎日更新するように努めているのですが、その時間に新しい記事がなければその日の更新がありませんので、何卒ご了承ください。
さて、ここでブログをおよそ毎日更新することになった経緯についてこの機会にお話したいと思います。
さて、私はこれまで多くの方から靴について教えていただく機会に恵まれたのですが、そのうちのお一人がヒロヤナギマチの柳町弘之さんです。
10年ほど前に、3年近く(記憶が正しければ2年9カ月)にわたり、柳町弘之さんにお世話になりました。
柳町さんからは靴に関することを含め、本当に多くのことを学ばせていただきました。
去年、ひさしぶりに柳町さんのお店に伺うことができました。
柳町さんやスタッフの方といろいろなことを楽しくお話することができたのですが、私のホームページの話題になりました。
ホームページに関していただいたアドバイスの一つが、ブログの更新は毎日したほうがよい、というものでした。
それまでブログはだいたい1カ月に一回ほどの頻度で新しい記事を書いていたのですが、この助言を受けて、その時からブログを毎日書くようになりました。
ご覧の通り、更新できていない日があるのですが、今日までなんとか続けることができています。
内容は相変わらず、靴を製作している様子といった短い記事がほとんどですが、皆様に楽しくお読みいただけるように、テーマも変化を持たせながらブログを綴っていきたいと考えています。
よろしければこれからもご覧いただければ幸いです。
柳町さんやヒロヤナギマチワークショップについても、改めてまたの機会にお話させていただければと思います。
さて、今日のテーマはトップピースです。
これはヒールの地面に直接触れるパーツのことです。
トップリフト、化粧革など様々な呼び方があります。
材料屋さんはラスターと呼んでおられました。
さてこれまでヒールの革を一枚ずつ積み上げることができましたので、最後にトップピースを取り付けます。

さて、このトップピースは全面がゴムになっていたり、革とゴムが一体になっていたり様々なタイプがあります。
さらに雨や雪用など、取り扱っているメーカーも様々です。
靴を修理される方はご存じかもしれませんが、ビブラムやミシュランなどといったブランドがあります。
各製造メーカーはそれぞれに合ったピースを使っています。
さて、私の場合なのですが、特にオーダーがなければゴムの部分だけ取り寄せてピースを製作しています。

材料屋さんでは、革とゴムが一体型になった様々な種類を取り扱っています。
ただ、その場合、本底とヒールの革の色や素材感が異なってしまいます。
そのため、ゴムに本底の革を合わせて作るようにしています。
では実際にそれを作っていきたいと思います。
まず、ゴムをこのようにカットします。

最初にこれをヒールに貼ります。
次に隙間を埋める革を貼った後、細釘を数か所打ち付けます。

そして、釘の頭を適切な長さでカットします。

最後に、本底と同じ革を貼って出来上がります。

さて、トップピースの作り方は様々です。
このほかに釘が表から見える方法もあります。

金色をした真鍮の釘が見えると綺麗ですね。
ただ、歩くとガリっとした感触がありますので、釘が見えない方法をデフォルトで採用しています。
しかし、真鍮釘を使う方法や、その他のトップピースもお作りすることができますので、お好みのオーダーをお聞かせいただければと思います。
さてこの後、ヒール周りを整えます。
次に側面を木やすり、ガラス片、ペーパーやすり、そしてコテをかけていきます。
このヒールの側面についてですが、ビスポークメーカーを含め、フィニッシャーと呼ばれる機械で加工しているところがほとんどだと思います。
これは回転するサンドペーパーに靴を当てて削っていく機械です。
もしかすると修理屋さんなどでご覧になったことがあるかもしれません。
それぞれのメーカーが機械を導入しながら最適な方法を選択して製作しています。
さて、私の場合はヒール周りもすべて手で削っています。

既成靴は原則として左右きっちり合うように揃えて作ります。
木型を調整しないパターンオーダーの場合も同様です。
一方でビスポークの場合、左右のヒールが異なることがあります。
右足と左足は異なるからです。
計測したそれぞれの足に合わせるため、可能な限り左右で見た目が近くなるように作ります。

そのため、私の場合は手で少しずつ削りながら、ヒールの大きさや高さや長さ、角度などの最適な解を求めていくようにしています。
さて、トップピースを貼ることができましたので、このあとは側面を整え、アゴやヒールの上部を加工していきます。