スキンステッチの針の加工






 靴には糸を使った様々な縫い目が施されています。


 大部分はミシンで縫われているのですが、かんぬき(ステイ)のように手で縫うこともあります。


 手で縫う方法の中でも革に貫通させて縫う方法とそうしない方法があります。


 スキンステッチといった言葉をお聞きかもしれません。

 明確な定義はないのですが、革を貫通せずに糸を通す方法として知られています。


 さてそういった縫い方をするために専用の針を使用しています。





 これは日本製のふまず用の針を加工したものです。

 先端を切り、幅も細くしていますので、ふまず針の原形をとどめていません。


 今回のライトアングルステッチに使用しようと思ったのですが、試し縫いをすると今回使う革に少し相性が良くなかったので新しく針から作ることにしました。


 まだ何も加工されていないふまず針を用意します。





 同じふまず針でも長さや先端の角度や幅が異なります。

 この中で使えそうな針を選びます。

 加工しやすいように幅は細く、角度もフラットに近い針を選びます。


 グラインダーで削ったり、金属用の細かいやすり、ペーパーやすりを使って少しずつ完成に近づけます。





 先端を切り、幅を細くして、さらに先端を薄くしていきます。

 最後に磨いて完成です。





 以前使っていた針と比較しました。





 全く違う針になっていますね。