サドルローファーの靴



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 カワムラヒデトモではビスポークのほか、レディースシューズ、靴修理を行っています。


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 さて今回はローファーを取り上げたいと思います。


 皆様のお好きなローファーの形は何でしょうか?

 コインローファーやタッセルローファーなど様々なデザインがあります。


 今回ご紹介するのは最もベーシックな形かもしれません。


 「サドルローファー」です。







 ローファーの甲の部分に取り付けてある細長いテープがサドルです。

 その長さによって、「フルサドル」や「ハーフサドル」と呼ばれるようです。


 前回はこのサドルローファーの「出し縫い」という工程までご紹介しました。



サドルローファーの底付け



 今回はこの続きをご覧ください。



 前回までで、出し縫いが完了しました。







 コバを整えたら、ヒールを積み上げていきます。

 ソールと同じ革を切り分けます。







 この革を一枚ずつ積み上げていきます。







 積み上げることができたら、側面を整えていきます。


 その時に使う工具は「木やすり」と言います。

 私に享受してくださった方は「まなこ」と呼んでいました。

 おそらく見た目から名前を付けられたのでしょう。


 その木やすりを使って少しずつ削り進めます。


 ヒールは機械で削っていると思われるのではないでしょうか?


 私の場合、ビスポークではすべて手で削っています。








 人の足は左右で大きさや形が異なるため、ビスポークの靴は基本的に左右の形や大きさが異なります。

 履き心地に影響しない範囲で、なるべく左右の違いによる違和を感じないようにヒールを仕上げます。


 木やすりで削りながら、最適なヒールの形、大きさ、角度などを探っていきます。



 そのようにしてヒールの積み上げが終わると、このあとは着色や熱ゴテの工程が待っています。