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さて今回は、いま進めているローファーのサンプルのアッパー製作の様子をご紹介したいと思います。
少し前のブログで、同時に進めているタッセルローファーのアッパーについてお話しました。

これはローファーの中ではイレギュラーなデザインだと思いますが、今回はローファーといえばこれ、というような定番の「サドルローファー」です。
サドルとは、甲を抑えるための細長いテープを表します。
ではパターンが出来上がった後のサドルローファーの製作の様子をご覧ください。
まず革の上にパターンを乗せ、革を裁断していきます。

サドルローファーのデザインはとてもシンプルなため、パターンの数も少なめです。
今回の革はフランスデュプイのサドルカーフを使用しています。
タッセルローファーと同じ革ですが、色が異なります。
この革については以前に取り上げましたので、よろしければご覧ください。
裁断ができたら、次にミシンやハンドステッチで縫っていきます。
さて、モカには様々な縫い方があるのをご存じでしょうか?
少し前にご紹介したUチップのモカは「ライトアングルステッチ」という縫い方でした。


これはパーツを二つに分けて直角(ライトアングル)に革を合わせて縫うスキンステッチという方法です。
一方で今回は、パーツを分けずに一枚の革で縫っていきます。
「つまみ縫い」や「モールステッチ」と呼ばれています。
まず、あらかじめ針を刺すための穴を開け、縫い進めます。


そのほかの部分はミシンで縫っていきます。
ローファーはレースアップとは縫い方が異なるので楽しいです。

そして最後に、名前の由来になっている「サドル」を取り付けて完成です。

これで予定していたアッパーすべてが完成しました。
そのようなわけで次は、Uチップ、タッセルローファー、サドルローファーの三つのつり込みを行っていきます。