「コバ」という言葉をご存じでしょうか?
一般的にも知られているため、靴にお詳しい方はご存じかもしれません。
「コバ」は靴のソールの側面の部分を表します。
この部分を綺麗にすることによって、見た目だけでなく雨や汚れの侵入を防ぎ、靴を長持ちさせることができます。
今回はハンドソーンウェルテッドの靴の場合の整え方をご紹介します。
ハンドソーンウェルテッドの靴の場合、ウェルトと本底を貼り合わせた後に側面を整えます。
では、順番に見ていきましょう。
まず、包丁で外周を切りまわします。
次に「木やすり」と呼ばれるやすりで側面を整えます。

木やすりには平らな面とアールになっている面があります。
コバのカーブに合わせて面を使い分けます。
次にガラスを適度な大きさに割って、カンナの要領で削ります。

私は少しアールになっているガラスを使っています。
次に2種類のペーパーやすりでさらに細かくきれいにします。

ここで一度ブラシを使って側面を水で濡らし、半分乾いたら、再び細かい目のペーパーやすりをかけます。
ここまで終えることができたら、今度は「コバゴテ」を使い仕上げていきます。
この段階では「空ゴテ」と言って、熱を入れずに使います。
その後インクで着色し、今度は熱したコテで整え、さらにワックスを使いながら3度目のコテをかけます。

様々な工具を使い段階的に仕上げていくことをご理解いただけたのではないでしょうか。
このコバの整え方に関しては製造メーカーによって様々です。
フィニッシャーやバフと呼ばれる機械を使うほうが一般的かもしれません。
各メーカーによってコバの仕上がりが異なりますので、個性を感じられる部分ですね。
多くのブランドの靴を取り扱っているデパートなどでご覧になってみられるのはいかがでしょうか。