ウィール(2)






 当ブログをご覧いただきありがとうございます。


 このブログではおもに、どのようにして靴は作られているのかご紹介しています。

 短く読める内容ですので、よろしければご覧ください。


 さて前回のブログで、ウェルトと本底に出し縫いをかけることをお伝えしました。


出し縫い




 その後、本底側の溝の蓋を閉じてから、2度目のウィールをかけていきたいと思います。


 1度目のウィールは、糸を等間隔で縫うためのガイドの役割がありました。

 今回は、ワックスを使ってウィールをかけることによって、コバを仕上げていきたいと思います。


 ではまず、ウェルトに再びインクを塗ります。

 そしてアルコールランプでウィールを適正な温度に熱して、ワックスを塗りながらかけていきます。





 焦らずゆっくりと少しずつウィールを動かします。





 ウィールの温度や角度、押さえる強さ、ワックスの量などを調整することにより、出来上がりを美しく整えることができます。








 2度目のウィールをかけることができました。


 このウェルト周りの仕上げ方は履き心地に影響するものではないため、各メーカーの個性が現れる部分です。


 ワックスの量をもっと少なめにしたりするところもあると思います。

 それぞれの靴がどのように仕上げられているのか、靴屋さんで注目してみるのもいいですね。

 私の場合は、ウェルトのギザギザの刻みの山が、きれいな三角形になればベストと考えています。


 ワックスを入れる前と後を比べると、違いがより分かりますね。




 

 さてこれが完成したら、ベヴェルドウェストの靴はふまずゴテをかけていきます。