すくい針の加工






 すくい針が折れてしまいました。


 手で縫っている職人さんでしたらお分かりだと思いますが、すくい針は出し縫いの針と違い、よっぽど強い力やかなり無理な力をかけない限り折れることはありません。


 強い力の入れたつもりではないのですが、針を刺した瞬間に折れました。

 前回すくい針を折ったのはいつだったのか思い出すことができません。


 調べてみると何年も使っていると金属疲労ができていたり、少し傷が入っていたりするとそこからあるとき突然折れてしまうということです。


 そのようなわけですくい針を交換しました。

 この機会に加工の仕方をご紹介したいと思います。


 すくい針は持ち手に取り付けたらすぐ使うのではなく、加工する必要があります。

 そのままではスムーズに革に刺すことができないからです。


 すくい針の先端は平べったい六角形になっています。





 針を見てみると、縦に2本の筋が入っていることがお分かりでしょうか。

 これをペーパーやすりを使って筋がなくなるまで丸くします。





 今回の針はそれほど表面が荒くないので、#240のペーパーから使って番手を細かくしていきます。





 表面が光る程度になったら大丈夫です。

 最後は青棒で磨きます。





 実際に革に刺してみてスムーズであればOKです。

 針のストックがあってよかったです。

 針の形は一つ一つ違うため、馴染むまで少し時間がかかるかもしれません。