こぎん刺しの靴とは



 11月に入り秋が深まっていく季節ですが、地域によってはまだまだ暖かい日が続いているようですね。


 私の活動拠点の大阪でも11月の最高気温が更新されたというニュースがありました。

 皆様のお住まいの地域でも今年は例年より温かいのでしょうか?


 私は以前青森に住んでいたことがあるのですが、青森の11月といえば雪虫が舞い、それに続いて雪が降ってくる季節です。

 寒波がやってきて雪が積もっては解け、積もっては解けを繰り返し、やがて道路に雪がいつも積もっている状態になり本格的な冬を迎えます。


 最初の年は珍しい雪が降ってきて楽しかったのですが、それからは雪が積もる生活を経験し、2年目からは何とも言えない気持ちになったのをよく覚えています。


 一方で雪に慣れている青森の方は私と違いとてもたくましく、寒い冬の乗り越え方を多く教えていただきました。


 冬に備える知恵は昔の時代から発揮され、技術の発達した現代では伝統工芸として残っているものがあります。


 今回はその伝統工芸である「こぎん刺し」という名で知られる刺しゅうについてお話ししたいと思います。


 こぎん刺しの歴史については以前のこの記事


こぎん刺し


 で述べましたので簡単にお伝えしますと、

 江戸時代の倹約令で麻以外の温かい衣服を禁じられたため、冬の寒さから身を守るために考え出された刺しゅう(刺し子と呼ばれる)の技法のことです。


 麻で作られた衣服は東北地方の冬を乗り切るにはとても厳しいものですが、刺しゅうを全体に施すことによって保温効果を発揮しました。


 日常の防寒着は今やダウンコートなどに替わりましたが、青森のこぎん刺しなどの東北地方の刺し子は貴重な伝統工芸として今もなお愛されています。


 
 青森を懐かしく思い、こぎん刺しを取り入れた靴を作ったことがあるのですが、今回新しいデザインと木型でこぎん刺しを施したレディースの靴を作りたいと思っています。


 その製作過程も掲載していく予定ですので、ぜひこの機会にどのようにして作られているのかご覧いただければと思います。


 

 

以前に制作したこぎん刺しを施したサドルシューズ

 

 

以前に制作したこぎん刺しを施したウィングチップ