本底を貼ることができました。
次は「出し縫い」といって、本底とウェルトを縫っていく工程になります。
本底はヒドゥンチャネルという仕様にします。
ヒドゥン(hidden)とは、「隠れている」という意味があるのですが、本底側から見て糸目が見えない縫い方です。
では作っていきましょう。
本底の角に革包丁をいれ、 慎重に切り込みを入れていきます。

切り込みを入れた革の厚みは薄すぎると切れてしまい、厚すぎるとまくり上げることができなくなります。
ちょうどよい厚みを見計らって切り込みを入れなければなりません。
それができたら、切り込みの部分に水を入れて革を上にまくり上げ、縫い糸が収まるための溝を掘ります。
まずナイフで切り込みを入れ、加工したマイナスドライバーで溝を広げていきます。

縫い糸がこの溝に収まるようになります。
さてこの溝なのですが、以前は「ひょっとこ」という専用の工具を使って掘っていました。

日本特有の工具なのですが、今はもう手に入らないものとなっています。
さて溝が出来上がったら、この溝に収まるように出し縫いをおこないます。